エリック・カントナ製作総指揮 ケン・ローチ監督
郵便配達員エリック・ビショップはパニック障害を起こし最初の結婚に失敗、
二度目の妻(とも別れた)の連れ子である二人の息子と三人暮らし
最初の妻、リリーへの思いを断ち切れないエリック
孫の子守を接点にリリーと会うことになるのだが、ためらい 会うきっかけがつかめず
またもパニック障害を起こし物語冒頭に交通事故を引き起こす。
揺れるリリーへの想い、息子達との膠着した関係、パニック障害との葛藤 等々
カオスな精神状態の最中 息子が隠し持っていたマリファナ(?)を吸い
ポスターのカントナに話しかけると背後にエリック・カントナ“その人”が現れる。
(公式サイトのケン・ローチ監督コメントではこの登場は“サプライズ”だったと明かされている)
そんな“妄想カントナ”の格言・アドバイスをきっかけに少しづつ事態が動き始める。
描かれていたのは
息子をギャングから救わんと苦悩苦闘し 少しづつ取り戻していく親子関係、
リリーとの離れすぎた年月をエリックが心の殻を破りながら少しづつ埋めようと足掻いていく機微、
郵便配達員仲間や“ユナイテッドは2つ、心はひとつ”と歌うサポーター仲間との友情、
エリックが“自分探し”をしながら家族愛・友情を再構築していく物語に写った。
じつはエリック・カントナとは同世代であったにもかかわらず
経歴その他予備知識は持ち合わせていなかったため
感動とかは期待せずカントナの足跡に触れる程度の動機で鑑賞したのです。
ところが、いい意味で裏切られ 面白く
今のカントナの佇まいが“ちょい渋”で面白い存在感!
「俺は漁船を追うカモメ以下なんだ!」とビショップがカントナに叫ぶ台詞は
何かの“フリ“なのかと気にかけつつも“オチ”はエンドロールにあって
記者会見でマスコミ連中に向かいカントナ曰く
「カモメが船を追うのは、コマセが海にまかれるのを待っているからだ。」(だったかな・・・)
と語り会場を立ち去るのだが、
鑑賞後にググるとこれが有名な「カンフーキック」事件を受けての会見と知るのだ。
嗚呼、無知は罪だ・・・、生鑑賞で“ニヤリ”としてみたかったよ。
で、そのときの「カンフーキック」がレコードジャケットに使われた
「AshのKung Fu」がコレ↓(少々脱線)
カントナの出演以外は派手な部分は無いけれど
マンチェスターの「普通の」人々の交流模様に地味ながらも心振るえ、
カントナの登場がいいアクセントになって面白い映画でした。
〔LINK〕
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