映画『黒く濁る村』(韓国:161分)
監督 カン・ウソク
出演 チョン・ジェヨン/パク・ヘイル/ユ・ジュンサン/
ユ・ヘジン/ユ・ソン/キム・サンホ/キム・ジュンベ/ホ・ジュノ
1978年頃、とある村のサムドク祈祷院、
教えを説いていたユ・モッキョン。
ところが院長は信者の崇拝を受けるカリスマの彼のことが面白くない。
そこで懇意にしていたチョン・ヨンドク刑事にユ氏を逮捕させ
拷問まがいの取調べで投獄しユ氏の社会的抹殺を試みる。
ところが罪人やチョン刑事の暴力に対し
ユ氏は抗うわけでもなくただ静かに冷たさを帯びた視線を投げる。
ついにはチョン刑事達は彼の魅力の虜となり、
ユ氏はチョン刑事に持ち掛けられ犯罪者たちと"理想の村"をつくるべく出所する。
"30年後" 20年疎遠だった父の訃報で とある村を訪れたユ・ヘグクは
村長の検死で自然死とされた父ユ・モッキンの死因に不審を持つ。
ヘグクを早く村から帰そうと"誘導"する村長や村人達、
父の財産を調べると、すべて村長の名義に・・・、
ヘグクは因縁の仲のパク検事に村長の身辺調査を依頼しつつ
雑貨屋の紅一点ヨンジのところへ身を寄せ
否応なしに真相を知るべく村に留まることになる。
村長=チョン・ヨンドク刑事、村民=元犯罪者達 のこの村で
30年の月日の不正蓄財を軸にした人間関係の変化の回想と
謎解きの伏線が折り重なっていく。
ヘグクは何度も窮地に陥り、村人達は一人また一人と死んでゆく。
なぜか真相に"誘導"するかのようにそんな話の展開で真相に迫る"手がかり"が
ヘグクの目の前に現れたりするのだが、
ラストでそれは"匂わせる"形で幕を引くことになる。
モッキョンの死は"自殺"そしてそれは
ヘグクを呼び寄せ戦いを受け継いでもらう為と分かりますが
それはヨンジの独白でしか明かされません。
ヘグク、ヨンジを始め登場人物の素性の描き方が希薄に写るのは
"あえて" 話のスピード感を殺さないことや
オチをラストまで悟らせ難くする意図なのかなと思いました。
実際本作品161分の上映と長時間なのだが
突っ込み所の多い割に一気に観させてくれるので、
上映時間の長さは気にならなかったし、面白かった。
ユ・モッキンが虐待された際に投げる冷たくも深遠にさえ写る"視線"この2つの"目力"が非常に印象的な映画でした。そしてラクトカットのオチの解釈を観客に委ねた(と自分は感じた)"視線"
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映画『黒く濁る村』公式サイト
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